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 貸金業法19条は、取引経過を記載した帳簿の保存義務を規定しており、保存期間は、貸付契約の最終返済日から10年とされています。この期間は、平成18年改正により変更されたもので、それまでは3年間とされていました。

 他方、商法19条3項は商業帳簿について、会社法432条2項は株式会社の会計帳簿について、それぞれ帳簿閉鎖の時から10年間保存しなければならないと定めています。

 そこで、両者の関係について問題とされていました。
 この点、会計帳簿には取引を記載することが必要であるところ、取引履歴は、会計帳簿上の取引に該当するので、商法19条からしても、10年間の取引履歴保存義務があると解されていました。

 では、取引履歴開示請求にあたり、保存期間がどのように関係してくるのでしょうか。
 
 取引履歴を明らかにすることにより、利息制限法所定の利率での残元金の再計算ないしみなし弁済をめぐる紛争を解決すべきという必要性は、保存期間が過ぎたからといって解消されるわけではなく、現に帳簿が存在する以上、開示すべきです。前述の平成17年最高裁判決も、開示すべき業務帳簿に保存期間を経過しているものも含むと明示し、開示義務があるとしています。

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土田司法書士事務所