借金相談において、債務整理を受任するまでの過程を述べたいと思います。

 依頼者の方が、債務整理のために借金相談に来る場合、相談者は自分でいろいろ努力をしたがどうにもならず来所するというのが普通です。したがって、借金相談にあたっては、受任するのが原則と言えます。

 借金相談にあたっては、どのような債務があるのかを正確に把握し、どのような資産があるか確認することが必要です。また、多重債務に陥った原因も、把握しておく必要があります。

 債権者の把握にあたっては、債権者一覧表のようなものを作成してもらいます。債権者名、支店名、郵便番号、住所、電話番号、債務額、当初借入日、保証人の有無などを記載してもらうことになるので、相談前に作成しておくよう伝えておくこともあります。また、カードを持参するよう伝えます。

 相談者が申告漏れしやすいものとして、家族や親族からの借り入れ、保証債務、物品購入によるクレジット債務などがあるので、相談時に確認しておくことを要します。また、ご家族と一緒に相談に来られた場合、ご家族の手前、債務の一部について自分で支払えると過信し、すべての債務について話さない場合もあるので、家族を退席させることも場合によってはあります。さらに、完済した借り入れについても、過払い請求の対象になるので、確認することになります。

 おおよその債務総額と毎月の収入がわかれば、任意整理・自己破産・個人再生どの手続を選択すればよいかを決定できます。ただ、明らかに破産や再生を選択すべき場合でも、仕事上破産や再生を申し立てると、解雇される場合もあります。その場合は、無理やりに任意整理を選択せざるをえないときもあります。

 ただ、最初の相談の際に必ず債務整理の方針を決定しなければならないわけではありません。中には、どの方針がよいか最初の時点では判明しないこともあるので、そのようなときは後日、相談の上で決めることもあります。

土田司法書士事務所