専門用語集

2015.04.02更新

 債務整理を司法書士や弁護士に依頼すると、まず最初に、司法書士や弁護士から各債権者に債務整理を受任した旨の通知書を送付します。

 この受任通知について、書式は特になく、内容はどの司法書士でも大体同じで、次のようなことが記載されます。

1.債務者の住所・氏名・生年月日(契約時に現住所と異なる住所に住んでいた場合は旧住所、異なる苗字で契約していた場合は旧姓も)
2.一定期間に債権調査票(取引履歴)を送付してほしい旨
3.今後は債務者本人や債務者の家族・職場に連絡したり、債権取立をすることを禁じる旨
4.過払い金が発生している場合は、過払い金請求権の時効を中断する旨
5.この受任通知によって債務を承認するものではない旨

 1から3については、受任通知を出す主たる用件なので、記載する必要があるのは当然のことですが、問題は4と5です。これを書き忘れると、後になって債務者に多大な不利益を与える可能性があるため、必ず記載する必要があります。

 まず、過払い金請求権の消滅時効について、一般の銀行の証書貸付などのように低金利の利息と最初から分かっている場合はともかく、銀行であってもカードローンや、サラ金・クレジット会社などのように法定金利を超えて貸し付けていた可能性のある金融機関の場合、過払い状態になっていて、過払い金請求権が発生する可能性があります。

 また、この場合は、受任通知を送付した段階で、念のために時効の暫定的中断措置として、その旨の記載をします。せっかく多くの過払い金が発生していても、タッチの差で時効にかかり請求できない方も多数います。これを防ぐため、受任通知書には時効中断のことをしっかりと記載しておく必要があります。
 

 もっとも、この措置はあくまで暫定的なもので、6ヶ月以内に訴訟を提起しなければ時効中断措置としての効力がなくなるので、注意が必要です。もし過払い金が発生していた場合は、なるべく早く訴訟を提起するなりして、回収することをお勧めします。

 また、受任通知を出すことによって、自己の債務を承認してしまい、時効消滅しかけていた債務が復活してしまう危険もあります。そこで、受任通知に、受任通知を出すことによって債務を承認するものではない旨を記載し、その危険をあらかじめ防いでおく必要があります。

 時効中断をするため、あるいは時効中断を阻止するための受任通知という観点からすれば、配達証明付き内容証明郵便で出すのが望ましいと言えますが、日本の郵便事情と大手の金融会社の誠実さを考えれば、そこまでナーバスになる必要はないでしょう。

 以上のように、受任通知には、単に債務整理を受任したことを通知する効果だけでなく、時効との関係でも効果があるので、内容には一定の注意を払う必要があります。

投稿者: 土田司法書士事務所

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