現在、開示請求に対し拒否する業者はほとんどいませんが、契約の切り替えがあった場合は、切り替え後の経過だけを開示する場合が多々あります。したがって、契約書や振込の控え、領収書が一部でもあれば、比較して正しいかどうかをチェックすることができます。

  領収書などがないときでも、大体いつごろから借りたか、他の業者と比べてどちらが古いかということは記憶にあることが多いので、依頼者の記憶と照らし合わせ、違いがある場合は、再度請求することになります。

  開示義務があるにもかかわらず、貸金業者が開示を拒否した場合、不法行為による損害賠償請求をすることができます。最高裁判決は、「開示義務に違反して取引履歴の開示を拒絶したときは、その行為は違法性を有し、不法行為を構成する」として損害賠償請求を認めています。

  賠償責任の根拠は開示義務違反にあるので、全面拒否の場合に限られるのではなく、一部だけしか開示しなかった場合や、開示すると言いながら長く開示しなかった場合など、開示義務違反が認められる場合に認められます。

  慰謝料の額は、5万円から30万円程度になることが多いようです。また、開示義務違反は、平成18年の改正で、罰則の対象にもなりました。

土田司法書士事務所