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2019.05.21更新

 自己破産をする場合、破産手続きに入ってから特定の債権者に対してのみ返済をすること(偏頗弁済)は原則として禁止されていますが、個人再生の場合、そのような縛りはありません。

 

 とは言っても、個人再生においても債権者平等の原則は適用されるので、司法書士などに依頼された後に、特定の債権者に返済をすることは望ましいことではなく、度を過ぎた偏頗弁済をすると、再生開始決定が出ないこともあるようです。

 

 しかし、やむを得ない理由で、特定の債権者に返済せざるを得ないこともあります。例えば、訴訟などで債務名義を得た債権者は、債務者の財産に強制執行してくる可能性があり、それを阻止するため、その債権者と和解し、再生開始決定が出るまでの期間、毎月分割で一定の額を支払うこともあります。

 

 また、自動車ローンなどの残りの返済期間が比較的短く、新たに他の自動車を購入するよりも、その自動車ローンの返済を続けた方が得であると考えるなら、再生手続きに入った後も完済まで返済を継続するという選択もあるでしょう。

 

 個人再生において偏頗弁済をした場合、本来であれば支払うべきではないお金を支払ったということで、支払わなければ債務者の手元に残った財産とみなされるので、申立時の債務者の資産に計上され、場合によっては、本来支払うべき再生債権額よりも多くの金額を債権者に支払うことになります。

 

 個人再生をご依頼の際は、特定の債権者に返済を継続する必要性などを検討した上で、司法書士などにご相談されることをお勧めいたします。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2019.05.17更新

 債務整理のご相談に来られる方の中には、「毎月きちんとクレジットカードの返済をしているので、これは借金ではない」という認識をお持ちの方もおられます。

 

 しかし、クレジットカードの仕組みは、いったん信販会社が利用者の代わりに加盟店に立替払いをして、それを後日、利用者に請求するというもので、借金には変わりありません。

 

 以前、自己破産を受任し、さぁこれから申立てという段階になって、依頼人が複数のクレジットカードをまだ所持して利用していたということがありました。ご依頼の際に、すべての債権者をお知らせくださいとお伝えしたはずが、クレジットカード利用は借金ではないという誤解により、行き違いになった事例です。

 

 本来は偏頗弁済として免責不許可事由となるはずですが、その際は、裁判所に「借金という認識がなかったため、意図的に特定の債権者にだけ返済したわけではない」旨を上申し、何とか免責を認めてもらいました。その後は、ご依頼の際には必ずクレジットカードをすべてお預かりするようにしております。

 

 このように、クレジットカードの利用は債務を負う行為そのものであるという認識を持ち、債務整理をするしないにかかわらず、カード利用者は債務者であるということを覚えておいていただけると幸いです。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2019.05.15更新

 債務者が時効援用をするには、債権者が権利を行使できるようになった時から一定期間の経過が必要となります。その期間については、権利の性質ごとに異なるので、詳しくはお問い合わせください。

 

 そして、債権者が訴訟などで判決を得て債務名義を得た場合、そこから時効は10年に延長されますが、裁判所から執行文の付与を受けることによって、債務者の財産に対する強制執行が可能となります。

 

 その後、債権者が債権譲渡などにより変更となった場合、前の債権者が取得した執行文のままでは強制執行ができないため、承継執行文というものを付与してもらって、執行当事者に変更があったことを債務者に通知する必要があります。

 

 債務者が承継執行文を受け取った場合、その時点で時効期間が振り出しに戻るのかというと、そういうわけではありません。単に承継執行文を受け取っただけでは時効の中断とはならず、時効期間が経過していれば、時効援用をすることが可能です。

 

 かつて訴訟で判決が下りたとしても、判決が確定してから10年経過し、承継執行文が新債権者から届いたとしても、時効援用できる余地はありますので、慌てず専門家にご相談ください。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2019.05.14更新

 個人再生の場合でも、自己破産の場合と同様、個人債権者を含めたすべての債権者を対象とする必要があり、裁判所に報告する義務があります。したがって、家族や知人からの借入も、個人再生の手続きの中で処理されることになります。

 

 個人再生では債務が免除されるわけではありませんが、債務額が減額されるため、個人債権者が感情的にになる可能性はありますが、これについては「自己破産と個人債権者」のページで述べた通りです。

 

 他に個人再生で問題となるのは、一般の貸金業者への返済額を意図的に減らすため、家族や友人に協力してもらい、家族や友人から借入をしているという事実をでっちあげる可能性があるということです。特に、同じ世帯の家族から借入をしている場合、本当に借入をしたかがわかる資料の提出を求められることもあるので、そのような手段を用いることは避けるべきです。

 

 個人再生の場合、債務の大半が家族からの借入であると、裁判所から疑われて、再生の認可が下りないこともあるため、家族からの借金が多ければ、少なくとも個人再生は避けるべきだと思います。

 

 

 

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2019.04.28更新

 自己破産を申し立てる際は、すべての債権を裁判所に届け出る必要があります。一部の債権者だけを意図的に除外することは免責不許可事由に当たり、免責を受けられなくなる可能性があります。したがって、親族や知人などの個人債権者からの借入についても、破産債権として届け出ることになり、一緒に免責を受けることになります。

 

 しかし、貸金業者については、淡々と破産手続きに協力してくれるの対し、親族や知人などの個人債権者については、いくら法律にのっとった手続きであっても、自分に対する返済が受けられなくなるのは容認できないとして、感情的に対応してくる可能性があるため、注意が必要です。

 

 特に、破産をすると知ったとたんに暴力などをしてくる可能性がある債権者がいる場合は、大きな弁護士事務所に破産手続きを依頼するのが良いでしょう。弁護士は、破産手続きにおいて申立代理人となることができ、債権者からの連絡はすべて代理人を通さなくてはならないため、個人債権者も弁護士にしか連絡をとることができなくなるからです。

 

 当事務所でも、今までに多数の破産事件を受任し、大半は個人債権者がいないか、いても債務者の事情を理解して破産手続きに協力してくれる方ばかりだったため、問題になったことはありませんが、事案によっては、司法書士では対応できない場合も稀にあるので、最初のご相談の際に、個人債権者について質問させていただくことになります。

 

 このように、親族や知人などから借入をされている方については、法律ではなく感情の問題になってしまう可能性もあるため、注意が必要となることをご留意いただければ幸いです。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2019.04.20更新

 自己破産と生活保護の関係について説明したいと思います。

 

 生活保護を申請する際、市役所から「債務はありますか?」という質問をされると思いますが、これは、受給した生活保護のお金で債務を返済することが禁止されているためです。したがって、生活保護を申請する前提として、自己破産などによって債務を整理することが必要となります。

 

 と言っても、自己破産をする場合は、ギャンブルや浪費などの免責不許可事由があると免責を受けられない可能性があるため、もし自己破産を申し立てても免責を受けられないときは、生活保護を断念することもあり得るので、注意が必要です。

 

 ただ、生活保護受給者が多重債務者になることもあるため、その場合には、生活保護受給者として破産の申立をします。当事務所でも、生活保護受給者の方の破産手続きを行ったことがあります。

 

 生活保護と自己破産の双方いずれもご検討の方は、基本的にはまず自己破産によって免責を受けた後、生活保護の申請を行っていただくことになると思います。生活保護の申請代行は、一般的には行政書士が行い、当事務所は行政書士事務所でもありますが、申請の際は他の経験のある行政書士をご紹介させていただきますので、併せてご相談いただければと思います。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2019.03.20更新

 最近、破産者マップなるものがインターネット上に出現し、過去に自己破産をした方の氏名・住所・申立先裁判所などが地図で閲覧できるようになりました。騒ぎが大きくなって、閉鎖されたようですが、一部では損害賠償請求訴訟をする動きもあるようです。

 

 はじめて破産者マップのことを聞いた時は、単なる嫌がらせにしか思えず、実際、マップを作成した人はどれだけ弁解しても、公益目的を見出すのは難しいので、閉鎖は当然だと思います。

 

 当事務所でも、過去に自己破産のご依頼をされた方から問い合わせがありましたが、すぐに閉鎖されたため、とりあえずは解決したことになりますが、既に知人などに閲覧されて、自己破産をした事実が知られていれば、場合によっては取り返しのつかない損害となります。

 

 自己破産をした人は、官報で氏名と住所が公告されますが、官報はほとんど国民に存在を知られておらず、閲覧する人もあまりいません。他方、簡単に住所地から調べることのできる破産者マップは、興味本位で閲覧する人も多かったため、破産者にとって悪夢でしかありません。

 

 破産者マップにどこまでの破産者が掲載されたのかわかりませんが、今までに自己破産を申し立てた人は、少なくとも知り合いには閲覧されていなかったことを祈るしかないでしょう。

 

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2019.03.17更新

 自己破産を申し立てる際に、浪費やギャンブル、偏頗弁済などの免責不許可事由があると、通常は少額管財事件か管財事件になります。

 

 といっても、はじめから少額管財事件や管財事件として破産を申し立てる必要はなく、申し立てた後、裁判所の判断で管財事件等になるかが決まるので、他に管財事件となる事情がなければ、同時廃止事件として申し立てれば大丈夫です。

 

 管財事件とは、弁護士が管財人に就任し、申立人の財産状況や債務を負った経緯を調査する事件ですが、少額管財事件は、通常の管財事件が多額の予納金がかかるため申立人の負担になることを考慮して設けられたもので、通常の管財事件に比べて予納金が少額となっています。

 

 先日も、当事務所で同時廃止事件として申し立てた自己破産で、少額管財事件や通常の管財事件に移行された案件がありましたが、通常の管財事件・少額管財事件どちらになるかは、裁判官の裁量によって決まるため、運のような要素もあります。

 

 もちろん、同時廃止事件として申し立てられた案件は、ほとんどが同時廃止事件として処理してもらえるのですが、免責不許可事由があると、やはり(少額)管財事件となる可能性が高まります。

 

 しかし、免責不許可事由があっても、必ず(少額)管財事件となるわけではなく、浪費などによる債務額の割合が小さかったり、軽微な事由しかないときは、同時廃止事件で処理されることもあるので、絶対的な基準はないようです。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2019.03.12更新

 静岡県静岡市に本店がある㈱クレディアの時効援用について説明いたします。

 

 先日、同社に時効援用通知を送付したところ、書類が届いてから1ヶ月が経ってからでないと、時効援用の結果がわからないという回答がありました。以前は、もう少し早く処理されていたようなので、ここ最近は事務処理が立て込んでいるのではないかと思われます。

 

 時効援用が成功しても、原契約書の返還や債務不存在証明の発行はしてもらえないので、電話口で対応した人の名前をしっかりと聞いておくことを忘れないようにします。

 

 今まで扱った実務から言いますと、同社は、消滅時効にかかった債権について、訴訟上または訴訟外での請求をすることが多いように見受けられます。

 

 したがって、同社に時効援用をすると、時効消滅が認められる傾向が強いので、㈱クレディアから何年かぶりに請求を受けられた方は、焦らず専門家にご相談することをお勧めいたします。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2019.03.07更新

 債務整理を開始しても、従来より持っていた預金は、そのまま利用することができます。また、新たに銀行などで預金口座を開設することもできます。

 

 預金は、債務者が金融機関に対して有する債権であって、新たに借金をするものではないので、任意整理・自己破産・個人再生のどの種類の債務整理をしても、金融機関にとって不利益になるものではありません。

 

 しかし、例外的に、預金口座を持っていた金融機関に対して債務整理をする場合は、預金が凍結され、残高があるときは、その時点での債務額と相殺されてしまうので、注意が必要です。

 

 任意整理をする場合で、口座のある銀行などに対して債務整理をしないときは、口座は従来通り使用可能ですが、自己破産や個人再生は、すべての債権者を対象とするため、口座のある銀行などから借入をしているときは、その口座は今後利用できなくなるのが原則です。

 

 したがって、司法書士などの専門家に債務整理をご依頼の場合で、上記のような口座凍結の恐れがあるときは、受任通知を送付してもらう前に、口座の預金残高をゼロにしておくことをお勧めいたします。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

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