お役立ちブログ

2021.04.07更新

 個人再生を申し立てるには、ある程度安定した収入があることが条件となりますが、高齢者が個人再生を申し立てる場合の注意点を説明したいと思います。

 

 個人再生では、裁判所が申立人の財産状況や収支を見て、再生手続きを進めることの可否を判断しますが、個人再生の場合、最低でも毎月3万円近い金額を3年間にわたって支払うことが可能かどうかがポイントとなります。

 

 この点、高齢者で退職が間近な方だと、近いうちに給与収入が途絶えてしまう可能性が高いため、再生計画にしたがった返済が困難とみなされやすくなりますが、たとえ給与収入がなくなっても、その後に受給する年金その他の収入が見込めれば、返済が可能とみなされます。

 

 その他にも、個人再生の場合、申立人だけではなく、家族の収入も非常に重要な要素となるため、返済に対する家族の協力が見込めるときは、裁判所が申立人の返済能力を判断する上で、有利な材料となります。

 

 返済能力以外の事項で注意が必要なことは、高齢者で間近い時期に定年退職が迫っており、既に退職金の額が確定している場合は、退職金額の4分の1が申立人の財産として計上されるため、例えば1,000万円の退職金を受給することが確定していれば、最低でも250万円は債権者に返済する必要があります。定年退職が近い場合でも、まだ額が確定していない段階で再生の申立てをすれば、8分の1で済みます。

 

 また、退職金の支給を受けた直後に再生の申立てをすると、退職金のほぼ全額が財産として扱われ、債権者に高額な返済をする必要が出てくるため、再生を申し立てる意味がなくなることもあり、注意が必要となります。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2021.03.27更新

 前回の続きです。最後に、自己破産を申し立てた後、申立人が相続人となる相続が発生した場合について説明します。

 

 自己破産を申し立てる際は、申立時点における財産を報告すればよいことから、申立以降に相続が発生した場合は、破産者の財産として遺産があるということを裁判所は知らないまま手続きが進められます。しかし、破産を申し立てた後であっても、裁判所から破産手続開始決定が出る前に相続が発生した場合は、遺産が極めて少額である場合を除き、債権者に対し、相続した遺産を分配する必要があります。

 

 この点、破産手続きが管財事件であれば、管財人が破産者の法定代理人として適切な対応をすることもできるでしょうが、破産手続きの大部分を占める同時廃止事件であれば、破産者がみずから裁判所に遺産を相続したことを報告しない限り、そのまま手続きが進められるので、遺産相続を隠し通すこともできるでしょう。しかし、これはルール違反です。

 

 破産を申し立てた後、破産手続開始決定が出る前に相続が発生した場合、被相続人の遺産を守るため、遺産分割協議によって遺産を放棄することも考えられますが、これは債権者によって否認されることが認められているため、あまり意味がありません。しかし、破産者が家庭裁判所に相続放棄をすれば、その効果は絶対的なので、債権者によって否認されることもなく、遺産を守ることは可能です。

 

 破産を検討中で、みずからが相続人となる相続が近い時期に発生しそうな方は、速やかに専門家にご相談されるのが無難と言えます。

 

 なお、裁判所より正式に破産手続開始決定が出た後に相続が発生した場合については、破産手続きと関係なく、遺産を相続できます。これは、免責許可決定が出る前でも同じです。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2021.03.18更新

 前回の続きです。次に、相続が発生したものの、遺産分割協議を行う前に自己破産を申し立てた場合について説明します。

 

 この場合、自己破産を申し立てる時点で、既に相続が発生しており、破産者が何らかの遺産を相続する可能性があるため、財産目録の中で、遺産としてすべての相続財産と破産者の法定相続分を記載する必要があります。

 

 そして、遺産の評価額が極めて少ないという場合を除き、管財事件になるため、破産手続開始決定と同時に選任される破産管財人が破産者の法定代理人として、他の共同相続人と遺産分割協議を行うことになりますが、債権者保護の観点から、少なくとも法定相続分については確保することになると思われます。

 

 もっとも、前回で述べたように、具体的な遺産分割協議やそれに基づく遺産の配分手続をしないまま、破産者が破産を申し立てることは通常ないため、このような事態が発生することは考えにくいと言えますが、例えば破産者が他の共同相続人と不仲で、嫌がらせのために、遺産分割未了のまま破産を申し立てるという事態もあり得るので、その場合は、上記のような手続になるということを念頭に置いていただければと思います。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2021.03.13更新

 前回の続きです。次に、遺産分割協議が成立したものの、具体的な遺産分配をする前に自己破産を申し立てた場合について説明します。

 

 この場合、遺産の中に預貯金や不動産などがあり、破産者がそれを遺産分割協議によって取得すると、預貯金の払戻手続や不動産の相続登記をすることになりますが、それをする前に破産を申し立てたとしても、裁判所に対し、財産として報告する必要があります。

 

 自己破産を申し立てる場合、裁判所に財産目録を提出しますが、その中の項目として「遺産」があるため、破産者が遺産分割協議の結果相続した遺産を具体的に記載します。そして、個別の遺産の中で20万円以上のものがあれば、管財事件となります(岐阜地方裁判所基準)。

 

 管財事件となった場合、破産手続開始決定と同時に管財人が選任されるので、その管財人が、破産者の法定代理人として、遺産の具体的な分配を受け、不動産であれば相続登記をし、その後、処分して各債権者に配当手続をすることになります。

 

 ただ、実際は、具体的な遺産分配手続が完了していない段階で破産を申し立てることは稀であり、特に弁護士や司法書士を介して自己破産を申し立てる場合では、遺産分割協議を合意解除してやり直すよう助言を受けるのではないでしょうか。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2021.02.27更新

 前回の続きです。まず、裁判所より破産手続開始決定が出る前に相続が発生し、遺産分割をして破産者が既に遺産の配分を受けている場合について説明します。

 

 この場合、相続手続が完了し、遺産も既に破産者固有の財産となっている以上、さかのぼって相続手続が無効となることはなく、当然に遺産分割協議も有効となるので、通常の破産手続と同じように手続をすれば問題ありません。

 

 ただ、破産を申し立てる場合、陳述書(弁護士が代理で申し立てる場合は報告書)の中で、いつ誰の遺産を相続したかを報告する必要があり、破産申立前の間近い時期に誰かの遺産を相続していれば、遺産の内容やその使い道について説明する必要があります。

 

 それなりに多額の遺産を相続したにもかかわらず、債務の返済ができなくなったのであれば、免責不許可事由に当たる浪費があったのではないかと推測されるので、遺産をどのように使ったのかをしっかりと説明できなければ、免責許可が下りない可能性もあります。

 

 破産を申し立てるより、かなり前に遺産を相続していれば、遺産の多寡に関わらず、あまり事情を問われないこともありますが、基本的には遺産の使い道を詳しく説明できるようにしておく必要があるとお考えいただいた方が無難です。

 

 

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2021.02.14更新

 自己破産をした場合でも、破産者が相続することが可能かについては、次の場合に分けて検討する必要があります。

 

①破産前に相続が発生し、遺産分割協議が終了して既に遺産の具体的な配分も完了している場合

②破産前に相続が発生し、遺産分割協議が終了しているが、遺産の具体的な配分をしていない場合

③破産前に相続が発生したが、遺産分割協議をしていない場合

④破産後に相続が発生した場合

 

 まず、①から④いずれの場合であっても、遺産が借金過多などで、破産者が相続を放棄する場合には、そもそも初めから相続人ではないことになるので、自己破産の手続きを進める上で、相続や遺産を考慮する必要はありません。

 

 また、遺産が多く、法定相続分通りに相続していれば、債権者への配当ができた場合であっても、破産者が自己破産申立前に相続放棄をしてしまえば、債権者はその法定相続分に対する権利を主張することができないとされています。相続放棄をするか否かは、相続人が自由に決定することができ、いったん行った相続放棄の効果は絶対的とされているからです。

 

 自己破産を申し立てる場合、破産者は、財産目録を作成して裁判所に提出する必要がありますが、相続財産があれば、財産の一部として報告しなければならず、遺産について具体的に説明する必要があるので、注意が必要となってきます。

 

 次回から、上記①から④の場合に分けて、説明したいと思います。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2021.02.10更新

 自己破産を申し立て、書類等の審査が終わると、裁判所より破産手続開始決定が下ります。その後、約2ヶ月の間、債権者から異議がなければ、免責許可決定が下り、手続きは終了となります。

 

 この破産手続開始から免責許可までの間に、婚姻や離婚による氏名・本籍の変更、引越しによる住所の変更などがあった場合、速やかに裁判所に届け出る必要があります。免責許可決定が下りると、官報に破産者の住所氏名が記載されるからです。

 

 基本的に、破産手続開始決定後に氏名や住所を変更することは、禁止されているわけではないで、申立人が自由に行っていただいても大丈夫です。しかし、免責許可決定が下りる直前になって変更すると、裁判所の事務手続きに支障が出るため、控えていただく必要があります。

 

 先日、当事務所で受けたご依頼の中で、翌日に免責許可決定が下りるという段階になって、申立人の氏名・住所・本籍すべてが変更されたことが発覚したため、裁判所に電話で伝えたところ、かなり困惑されたという事例がありましたが、その時は、免責許可決定を少し延期してもらい、資料を揃えて裁判所に変更報告をすることにより事なきを得ました。

 

 やむを得ない理由がない限り、破産手続開始決定後、免責許可決定前に氏名や住所を変更することは、控えた方が無難かもしれません。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2020.12.20更新

 不動産の任意売却とは、住宅ローンを支払えなくなった場合に、売却後も債務が残ってしまう不動産を、借入先の金融機関の同意を得て売却することです。不本意ながらも、一応は所有者の意思によって売却するため、「任意」売却と言います。

 

 自己破産をする際、破産者が不動産を所有していると、原則として、その不動産を売却してお金に換え、債権者に分配する手続をすることになります。不動産を所有したまま自己破産を申し立てると、裁判所から選任された管財人がその手続を行いますが、自己破産を申し立てる前に、自分で売却をすることも可能です。

 

 仮に不動産を売却して、売買代金全額を住宅ローンの返済に充てたとしても、まだ債務が残ってしまう状態をオーバーローンと言いますが、いくら債務が残るかは住宅ローン債権者にとって重大な関心事なので、売却額については債権者が決定します。

 

 住宅ローン債権者としては、住宅ローンの滞納が続いた場合、すぐにでも不動産を差し押さえて、裁判所による競売にかけた方が良いかもしれませんが、一般的に競売よりも任意売却の方が高額で売却できることが多く、債務者にとっても、売却代金から引越し代などが確保できる可能性があるため、任意売却の方が有利と言えます。

 

 オーバーローン状態ではなく、不動産の売却額で住宅ローンを完済できる見込みが大きい場合は、そもそも住宅ローン債権者の同意は不要なので、所有者の意思のみで売却できますが、これを通常売却と言います。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2020.11.01更新

 自己破産を申し立てる際は、申立日の時点でどのような財産を所有しているかを裁判所に報告する必要があるので、破産申立人が加入している任意保険についても報告することになります。

 

 この保険には、現在任意で加入している保険はもちろん、申立前2年以内に解約した保険も含まれます。そして、保険の種類を問わないので、すべての生命保険、医療保険、損害保険等について記載しなければならず、解約返戻金が発生しない掛け捨ての保険についても報告する必要があります。

 

 報告すべき事項としては、保険会社名、証券番号、保険の種類、契約日、月額保険料、解約の有無、解約返戻(予定)金の額、解約済みで解約返戻金を受領した場合はそれを何に使ったかなどです。

 

 解約返戻金は、破産申立時点で、その保険を解約した場合に払い戻しを受けられる金額を記載し、他の財産と合わせて99万円を超える場合は、超過部分について、債権者に分配する手続が必要となります。

 

 また、岐阜地方裁判所において、破産申立人の総資産が50万円を超える場合は、管財事件として処理されますが、たとえ総資産が50万円以下であっても、1件の保険の解約返戻金だけで20万円以上あるときは、少額管財事件となるのが原則です。

 

 ただし、その保険を解約して現金化するのが難しい特別の事情がある場合は、それを上申することによって、財産から除外することができる可能性があるので、一律に管財事件となるわけではありません。例えば、現に申立人やその家族が病気でその保険による恩恵を受けていたり、近い将来に恩恵を受ける可能性が高い場合には、保険を解約すると不利益が大きいため、事実上解約ができないものと評価されることがあります。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2020.08.22更新

 初めて当事務所の方にお越しになられる方の中には、お近くまで来られて道に迷われる方がいらっしゃいます。

 

 当事務所は、令和元年7月に現在の場所に事務所を移転しましたが、グーグルマップなどのアプリやカーナビで検索される際、当事務所の名前や電話番号で検索されると、旧事務所の方に行ってしまう可能性があります。

 

 現在の事務所は、旧事務所のすぐ近くではありますので、もし旧事務所の方に行かれても、お電話をいただければ詳しい場所をご案内させていただきますが、今後、当事務所にお越しになられる際は、「岐阜市加納花ノ木町51」でご検索いただければ、正確にご来所いただくことが可能ですので、よろしくお願い申し上げます。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

前へ
事務所概要bn02.pngメール問い合わせ