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2021.02.27更新

 前回の続きです。まず、裁判所より破産手続開始決定が出る前に相続が発生し、遺産分割をして破産者が既に遺産の配分を受けている場合について説明します。

 

 この場合、相続手続が完了し、遺産も既に破産者固有の財産となっている以上、さかのぼって相続手続が無効となることはなく、当然に遺産分割協議も有効となるので、通常の破産手続と同じように手続をすれば問題ありません。

 

 ただ、破産を申し立てる場合、陳述書(弁護士が代理で申し立てる場合は報告書)の中で、いつ誰の遺産を相続したかを報告する必要があり、破産申立前の間近い時期に誰かの遺産を相続していれば、遺産の内容やその使い道について説明する必要があります。

 

 それなりに多額の遺産を相続したにもかかわらず、債務の返済ができなくなったのであれば、免責不許可事由に当たる浪費があったのではないかと推測されるので、遺産をどのように使ったのかをしっかりと説明できなければ、免責許可が下りない可能性もあります。

 

 破産を申し立てるより、かなり前に遺産を相続していれば、遺産の多寡に関わらず、あまり事情を問われないこともありますが、基本的には遺産の使い道を詳しく説明できるようにしておく必要があるとお考えいただいた方が無難です。

 

 

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2021.02.14更新

 自己破産をした場合でも、破産者が相続することが可能かについては、次の場合に分けて検討する必要があります。

 

①破産前に相続が発生し、遺産分割協議が終了して既に遺産の具体的な配分も完了している場合

②破産前に相続が発生し、遺産分割協議が終了しているが、遺産の具体的な配分をしていない場合

③破産前に相続が発生したが、遺産分割協議をしていない場合

④破産後に相続が発生した場合

 

 まず、①から④いずれの場合であっても、遺産が借金過多などで、破産者が相続を放棄する場合には、そもそも初めから相続人ではないことになるので、自己破産の手続きを進める上で、相続や遺産を考慮する必要はありません。

 

 また、遺産が多く、法定相続分通りに相続していれば、債権者への配当ができた場合であっても、破産者が自己破産申立前に相続放棄をしてしまえば、債権者はその法定相続分に対する権利を主張することができないとされています。相続放棄をするか否かは、相続人が自由に決定することができ、いったん行った相続放棄の効果は絶対的とされているからです。

 

 自己破産を申し立てる場合、破産者は、財産目録を作成して裁判所に提出する必要がありますが、相続財産があれば、財産の一部として報告しなければならず、遺産について具体的に説明する必要があるので、注意が必要となってきます。

 

 次回から、上記①から④の場合に分けて、説明したいと思います。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2021.02.10更新

 自己破産を申し立て、書類等の審査が終わると、裁判所より破産手続開始決定が下ります。その後、約2ヶ月の間、債権者から異議がなければ、免責許可決定が下り、手続きは終了となります。

 

 この破産手続開始から免責許可までの間に、婚姻や離婚による氏名・本籍の変更、引越しによる住所の変更などがあった場合、速やかに裁判所に届け出る必要があります。免責許可決定が下りると、官報に破産者の住所氏名が記載されるからです。

 

 基本的に、破産手続開始決定後に氏名や住所を変更することは、禁止されているわけではないで、申立人が自由に行っていただいても大丈夫です。しかし、免責許可決定が下りる直前になって変更すると、裁判所の事務手続きに支障が出るため、控えていただく必要があります。

 

 先日、当事務所で受けたご依頼の中で、翌日に免責許可決定が下りるという段階になって、申立人の氏名・住所・本籍すべてが変更されたことが発覚したため、裁判所に電話で伝えたところ、かなり困惑されたという事例がありましたが、その時は、免責許可決定を少し延期してもらい、資料を揃えて裁判所に変更報告をすることにより事なきを得ました。

 

 やむを得ない理由がない限り、破産手続開始決定後、免責許可決定前に氏名や住所を変更することは、控えた方が無難かもしれません。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

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