専門用語集

2013.07.08更新

 自己破産をすると、原則として破産申立人の財産をお金に換えて、それを債権者に分配することになります。では、申立人が所有する自動車も手放す必要があるのでしょうか。

①自動車を一括払いで購入した、または自動車ローンを完済している場合
 
 
岐阜地方裁判所の扱いでは、自動車の価値が20万円以下の場合は、その自動車を手放す必要はありません(ただし、他の財産と合わせて20万円を超える場合は手放さなければならない場合もあります)。

 また、普通車と小型車は、初度登録から7年経過で無価値と判断されるため、査定価格に関係なく自己破産でも自動車を失うことはありません。

 軽自動車と商用車は、初度登録から5年経過で無価値と判断されます。
 
 中型車と大型車については、査定書で評価されるため、初度登録から何年経っていても、自己破産の申立てにあたって査定書を添付して裁判所の判断を仰ぐ必要があります。


②自動車ローンを支払中で、かつ「所有権留保」が付いている場合

 
自動車ローンの残高がまだ残っており、債務整理に着手した時点でまだローンを支払中の場合、その自動車に所有権留保がついているかどうかを確認します。

 所有権留保とは、ローンを完済するまでその所有権を形式上売主に留めておくもので、担保の一種です。所有権留保が付いているかどうかは、車検証などで確認できます。

 もし所有権留保が付いていれば、債務整理を始めた時点で自動車を使用する権利を失い、形式上の所有者に引き上げられることになります。

 そして、ローン残高から自動車の現在査定額を差し引いた金額が残債務となり、それを自己破産によって免責することになります。

 ただし、この場合でも、自動車の価値が20万円以内であり、かつ、ローン残高も僅少で一括してローン残高を完済できる場合には、債権者に一括弁済することによって、自己破産をしても自動車を手元に残すことは可能です。

 債務整理を始めた後は、原則としてすべての債権者が平等に扱われ、一部の債権者にのみ弁済することはできませんが、自動車は生活必需品であり、価値の低い自動車であれば債権者に分配するまでもないので、新しい自動車を購入するよりも、従来から保持する自動車を維持した方がよい面もあるからです。


③自動車ローンを支払中で、かつ「所有権留保」が付いていない場合

 
自動車ローンを支払中でも、所有権留保が付いておらず、実質的にも形式上も自動車の所有者である方が稀にいます。

 その場合は、①と同じ扱いになり、自動車に価値があれば手放す可能性もありますが、そうでなければ自動車を手元に残したまま、ローン残高は自己破産によって免責されることになります。

投稿者: 土田司法書士事務所

2013.07.06更新

 自己破産(管財事件)を申し立てる際に必要な書類について説明します。

 まず、申立書を初めとする主要な書類については、司法書士の側で用意します。以下の書類がそうです。

①申立書
②管財補充報告書
③報告書
④家計収支表
⑤添付目録
⑥資産及び負債一覧表
⑦債権者一覧表(8種)
⑧被課税公租公課チェック表
⑨財産目録等
⑩リース物件等一覧表
⑪係属中の訴訟等一覧表
⑫倒産直前の処分行為等一覧表


①申立書

 破産手続を開始し、自由財産を拡張したい旨の申立てをする記載をします。

 自由財産拡張とは、申立人が所有する財産のうち、一定範囲内のものを債権者に分配せず、手元に残すことを言います。


②管財補充報告書

 管財手続において特に確認しておくべき事項を、チェック方式で作成するものです。

 申立書と報告書の中間のような意味合いを持ち、申立人の住居や借入状況などを大まかに確認するためのものです。


③報告書

 同時廃止の場合と同様、債務を負うに至った事情など、自己破産を申し立てるに当たっての詳細な事情を報告します。

④家計収支表

 申立て前の2ヶ月分のすべての収入と支出を記載します。申立人の生活状況を把握し、免責決定を出すべきかどうかを判断する資料となります。

⑤添付目録

 申立てに際して添付した書類をチェック方式で分かるようにします。

⑥資産及び負債一覧表

 財産目録と債権者一覧表をまとめたものです。回収見込額を記入しますので、配当可能性の有無がわかるようになっています。

⑦債権者一覧表(8種)

 最初に全体の債権者一覧表を綴り、その後に個別の債権者一覧表を必要に応じて綴るようにします。

⑧被課税公租公課チェック表

 税金等の滞納の有無にかかわらず、課税されているすべての税金について直近年度の税額を記載します。

⑨財産目録等

 最初に総括表を綴り、その後に個別の財産の目録を添付します。また、自由財産の拡張の申立てをする場合には、その旨の記載をします。

⑩リース物件等一覧表

 リース債権がある場合には提出が必要です。

⑪係属中の訴訟等一覧表

 訴訟が係属している場合や、差押えがなされている等の場合には提出しなければなりません。

⑫倒産直前の処分行為等一覧表

 否認権行使に関する情報を提供し、回収予定財団額を把握するためのものです。倒産直前の処分行為がある場合は添付します。

投稿者: 土田司法書士事務所

2013.07.05更新

 自己破産(同時廃止)を申し立てる際に必要な添付書類については以下のとおりです。

 添付資料については、司法書士ではなく、基本的に自己破産の申立人本人に収集していただくことになります。


①住民票(省略のないもの)および戸籍謄本

※申立て前3ヶ月以内に発行されたもの、市町村役場(市町村によっては役所以外の特定受託者)で発行

②現在不動産を所有していない場合、現在の住居の賃貸借契約書および不動産を所有していないことの証明書

※不動産を所有していないことの証明書は、市町村役場の税務課で発行

③現在不動産を所有している、または過去5年以内に不動産を所有していた場合、共同担保目録付の不動産謄本

※法務局で発行

④現在不動産を所有している場合、固定資産評価証明書

※市町村役場の税務課で発行

⑤直近2年分の所得課税証明書(同居親族分要)または直近2年分の源泉徴収票(同居親族分要)

※所得課税証明書は市町村役場の税務課で発行

⑥直近2ヵ月分の給与明細(同居親族分要)

⑦年金・生活保護・雇用保険を受給している場合は受給者証

⑧訴訟や強制執行を受けている場合は裁判所から受け取った判決書や調停調書や差押命令書など


⑨預金通帳の写し


※事務所に持参する前数日内に通帳記入したもの、過去2年分の取引が記載されたもので、過去2年分の記載がない場合や一括記帳がされている場合は欠けている部分について銀行発行の取引明細書

⑩積立金がある場合は積立額証明書

⑪勤め先から退職金が支給される場合は退職金見込額証明書または退職金規程と計算書

⑫任意保険(生命・自動車など)に加入している場合は保険証券

⑬任意保険のうち解約返戻金がある場合は解約返戻金証明書

⑭自動車を所有している場合または他人から借りて使用している場合は車検証


⑮所有する自動車が初度登録から5~7年が経過していない場合または外国車である場合、査定書

※普通自動車は7年、軽自動車は5年経過によって無価値と判断されるので査定書は不要

⑯水道光熱費と電話代の支払が口座振替でない場合は、過去2ヶ月分の領収書

⑰税金や国民健康保険料の滞納が分かる資料


※納付先から届いた請求書などで可、市町村役場の税務課や福祉課などで発行してもらうことも可能

投稿者: 土田司法書士事務所

2013.07.04更新

 自己破産(同時廃止)を申し立てる際に必要な書類について説明します。

 まず、申立書を初めとする主要な書類については、司法書士の側で用意します。以下の書類がそうです。

①申立書
②報告書(陳述書)
③家計収支表
④財産目録
⑤債権者一覧表
⑥滞納公租公課一覧表
⑦事業に関する報告書


①申立書

 破産手続を開始し、その手続を廃止する旨と、申立人を免責する旨の申立をしたいことを、裁判所に対して訴える、いわば申立書類すべての顔のような書類です。

 この申立書に、申立人の氏名住所・生年月日など主要な記載をし、裁判所に対して誰がどのような申立をしているか分かるようにします。


②報告書

 自己破産を申し立てるに至った経緯を細かく書いたもので、いわば申立書類の心臓のようなものです。多額の借金を負って返済できなくなったからと言って、必ず自己破産が通るわけではなく、相応の理由も必要となってくるからです。

 もっとも近年は、ギャンブル・浪費などの理由で返済不能になった債務者に対しても、免責決定が出るそうなので、相応の理由の内容とやらも曖昧になっているようですが、それでもしっかり記載しなければならないことに変わりありません。

 「破産申立てに至った事情」 については、わかりやすく記述しておくこと が重要です。特に債権者名簿での「借入時期」の記載と矛盾していないように確認しておく必要があります。

 例えば、「平成3年に初めて借金しました」 とありながら、債権者名簿を見ると、それ以前の借入れが記載されているといった場合です。

 また、免責不許可事由がある場合(疑いも含む)、裁量免責事由についてしっかりと記述しておくことが必要です。
 

③家計収支

 毎月の収入と収支を記載します。申立人がどのような生活をしているのか判断するための資料です。

 収入は、給与に限らず年金や家賃収入、株式配当金や利息に至るまで、すべての収入を記載します。支出は、家賃や食費、水道光熱費や電話代・新聞代、衣服代や交際費に至るまで、すべての支出を記載します。

 申立直前2か月分を記載するので、申立てが遅れた場合 、 作成し直すことが必要です。


④財産目録

 申立人のすべての財産を記載します。預金残高、保険、自動車、敷金請求権、有価証券、他人への貸金債権などです。

 詐害目的での財産の隠匿は免責不許可事由に該当するので(破252条1項1号) 、記載漏れがないように十分注意する必要があります。

 例えば、過払い金返還請求権などは記載漏れしがちであり、その有無ないし金額が明確でない場合も、過払いの可能性がある旨を明示しておくことが必要です。

 生命保険料の支払いや給与などは通帳で入出金がなされている場合が多いので、通帳をチェック して食い違いがないか確認することが必要です。

 保険の解約払戻金につ いては、自動車保険などの損害保険では払戻 しがない(いわゆ る掛け捨て)が通例なので、必ず払戻金計算書を用意しなければいけないわけではなく、生命保険の場合でも、契約年数に応じた払戻金の表が保険証券に記載されている場合があります。


⑤債権者一覧表

 すべての債権者の住所氏名と債権額および契約日など、借入状況がわかる資料です。

 虚偽の債権者名簿提出は免責不許可事由に該当するので(破252条1項7号)、債権者漏れがないように十分注意する必要があります。

 この点、依頼者によっては、「債務=借金」という固定観念があり、いわゆるキャッシングのみを負債と考え、ショッピングを除外する場合があるので、キャッシング以外の負債がないか確認していく必要があります。

 また、親戚や知人・勤務先等からの借入れを債権者名簿に記載することを嫌がらず、きちんと記載しておくことが必要です。

 サラ金や信販会社からの借入額については、法定利率で計算した額を記載するのが相当といえます。ただし、支払経過が明らかでなかったり、債権者との間で計算方法に違いがあるような場合、備考欄に債権者主張額を記載しておくのが適切です。

 債権者名や住所などが判明しない場合は、判明している範囲で記載します。


⑥滞納公租公課一覧表

 所得税、住民税、消費税、固定資産税や自動車税など各種税金の他、国民健康保険料、国民年金掛け金などについて滞納しているものがあるときは、この一覧表に記入します。

 滞納している税金等がないときは、「ゼロ」である旨を記載して提出します。

 税金等については、自己破産でも免責されず、将来に渡って支払う必要がありますが、今後の破産者の生活状況を推測する上で滞納税金の額は重要であるため、裁判所に報告することになります。


⑦事業に関する報告書

 事業をしている者、または過去に事業を行い、それによって破産に至った者については、事業に関する報告書を提出します。

 この報告書は、過去3年分の収支や従業員の有無、未払いの賃金や賃借料などを記載し、事業が破産に及ぼした影響などを知る上での資料となります。

投稿者: 土田司法書士事務所

2013.07.03更新

  自己破産における破産手続開始・免責許可の申立てについて、説明します。

  債務者は自ら破産手続開始の申立てをすることができます。

  また、個人である債務者(法人の場合は免責手続の必要がない)は、破産手続開始の申立てがあった日から破産手続開始の決定が確定した日以後1月を経過する日までの間に免責許可の申立てをすることができます。

  したがって、同一書面で破産手続開始・免責許可の申立てをするのが通例です。

  この点、旧破産法366条の2第1項は、「破産者」が免責申立てをなしうるとしていたので、破産宣告がなされた日から起算されると解され、破産申立てと免責申立てに時間的ずれがあって煩雑でした。

  現行破産法は、破産手続開始申立てとともに免責申立てをすることができるとした上、さらに、破産手続開始の申立てを した場合には、同時に免責許可の申立てをしたものとみなす、みなし規定も設けたので、旧法の煩雑さが解消されました。

投稿者: 土田司法書士事務所

2013.07.02更新

  自己破産を申し立てる際の管轄裁判所について説明します。

  自己破産は、誰がどの裁判所に対して申し立ててもよいわけではなく、法律上管轄する裁判所について破産法5条1項で定められています。


①債務者が営業者(会社・商人)の場合

  主たる営業所所在地を管轄する地方裁判所

②債務者が営業者でない場合

  普通裁判籍の所在地(住所、居所、最後の住所)を管轄する地方裁判所

  これには特例もあり、たとえば、法人と代表者間、個人の連帯債務者間、個人の主債務者と保証人間、夫婦相互間では、どちらかの管轄に属する裁判所に申立てができます。

  また、破産法6条により、破産事件の管轄は専属管轄とされており、民事訴訟法でいうような合意菅轄や応訴菅轄は認められておりません。

  異なる管轄裁判所に自己破産を申し立てた場合については、即時抗告ができるか否か争いがありますが、民事訴訟法338条1項の再審事由には該当しないので、破産手続開始決定がなされて確定した場合、もはや争う余地がないことになります。

投稿者: 土田司法書士事務所

2013.07.01更新

  債務者から破産手続開始・免責許可、つまり自己破産の申立がなされると、破産原因の有無が審査されます。

  個人の場合には「支払不能」が破産原因となり、 法人の場合には「支払不能又は債務超過」が破産原因となります。 破産原因がある場合、破産手続開始決定がなされます。


①同時廃止事件
 
  破産財団、つまり自己破産を申し立てた人の財産をもって破産手続費用を支弁するのに不足すると認められる場合には、もはや破産手続を進めても意味がないので、開始決定と同時に破産手続を終了することになります(この場合でも、免責不許可事由の調査等のため管財事件とされる場合もあります)。

  これを「同時廃止」といいます。この場合、開始決定の時に免責審尋期日が定められ、債権者への意見聴取もふまえて、審尋期日後、免責の可否についての決定がなされます。


②管財事件

  債務者に資産がある場合には、管財事件とされ、債権者集会の期日が定められます。

  そして、管財人の調査の結果、配当すべき財産がある場合には、債権者集会後に配当がなされ、配当手続の終了をまって破産手続の終結決定がなされます。

  また、配当手続とは別個に、債権者集会までになされていた債権者への意見聴取をふまえて、債権者集会後、免責の可否についての決定がなされます。

  管財事件とされたが、破産財団をもって破産手続費用を支弁するのに不足すると認められる場合には、債権者集会と同時に破産手続を終了することになります。これを 「異時廃止」といいます。

  この場合も、債権者集会までになされていた債権者への意見聴取をふまえて、債権者集会後、免責の可否についての決定がなされます。

投稿者: 土田司法書士事務所

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