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2018.01.30更新

 偏頗弁済とは、破産・再生手続に着手した後に、一部の債権者のみに対して返済をすることを言います。

 

 偏頗弁済は、債権者平等の原則に反するため、してはいけないことになっており、仮にこのような返済をしてしまうと、破産・再生手続において、不利な扱いを受けます。

 

 例えば、自己破産において偏頗弁済をすると、免責不許可事由に該当し、免責を受けられなくなる可能性があります。

 

 もっとも、偏頗弁済は、「特定の債権者に利益を与える目的」と「他の債権者を害する目的」が要件となるため、実際には、これで絞りをかけることによって、仮に特定の債権者のみに返済をしても、免責不許可自由に当たらないと主張できる余地があります。

 

 他方、個人再生においては、自己破産の場合ほど強い制約は受けず、偏頗弁済を行っても、再生の認可が下りなくなることはありません。

 

 ただ、特定の債権者のみに返済したことによって、本来はあるべき債務者の財産とみなされるので、偏頗弁済した金額については、申立人の財産として計上され、再生債務額の計算に影響を与えることがあります。

 

 いずれにしても、余程の理由がない限り、意図的な偏頗弁済は避けたほうが良いと思います。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2018.01.20更新

 株式会社ジャックスという信販会社に時効援用した際のことについて述べたいと思います。

 

 通常、貸金業者との取引については、最終弁済期から5年の経過により消滅時効にかかります。その5年間に、民法147条規定の行為をしたことによって、消滅時効を中断することができます。

 

 同法所定の行為とは、債権者の債務者に対する請求などがあり、したがって、債務者に対して督促状を送付すれば、消滅時効が中断されることになり、そこから再度5年が経過しないと時効を援用できないことになります。

 

 しかし、民法は同時に、153条で「催告は、6箇月以内に、裁判上の請求(その他)をしなければ、時効の中断の効力を生じない。」と規定しており、単なる督促状や請求書の送付をしても、暫定的な時効中断措置にしかならず、6ヶ月以内に裁判上の法的措置等を採らないと、時効中断になりません。

 

 今回のジャックスに対する時効援用について、過去に裁判上の請求などをしたことがあったかを担当者に訊いたところ、時効期間の5年間はおろか、その期間を経過後もそのような措置を採ったことがないと回答されたので、時効消滅していると主張したら、「2年前に私文書で督促状を送付しているので、まだ時効は完成していない。」との謎理論を主張されました。

 

 今までに、どの貸金業者からもこのような反論をされたことはなく、上記のような法律の根拠を示して反論しても、やはり結論は変わらなかったので、依頼人と相談の結果、同社に対し「こちらとしては時効消滅として処理するので、貴社もご自由にどうぞ。」と通告して手続を終了しました。

 

 今後、同社から依頼人に対し、訴訟提起などがある可能性もありますが、逆にどのような法律構成で主張してくるのか聞いてみたい気もします。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

2018.01.16更新

 自己破産を申し立てると、破産開始決定前または免責決定前に、裁判官による審尋が行われることがあります。審尋とは、裁判官が破産申立人に直接会って、破産に至った事情や、申立書類からわからない事項を質問する手続です。

 

 岐阜地方裁判所では、少し前の一時期、申立書類の内容に怪しいところがあると、少額管財事件に回されてしまうことが多々ありましたが、管財事件になると、まとまった予納金を納める必要があり、申立人に大きな負担となるため、審尋により不明な点を解明しようという流れは、歓迎すべきものです。

 

 といっても、審尋によって、同時廃止事件で手続してもらえると決まるわけではなく、審尋の結果、裁判官の中でやはり調査が必要との心証が生まれれば、管財事件になってしまうので、十分に備える必要があります。

 

 審尋が破産開始決定前に行われるときは、同時廃止事件か管財事件かの見極めをするのが主な目的だと思いますが、免責決定前に行われるときは、免責にしてよいかを決めるのが目的というよりは、今後の生活をきちんとしていけるかどうかを見極めるのが目的のように感じます。

 

 審尋の場で、嘘をついたり、下手にごまかしたりすると裁判官の心証が悪くなり、破産手続に悪影響を与えるので、質問には正直に返答するのがよいでしょう。

投稿者: 土田司法書士/行政書士事務所

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